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静物と三匹の子犬


今日は、友人から蜂蜜の話をたくさん聞いた有意義な一日でした。こういう話を聞くと、もっと自然とともに暮らしたいと思いますね。
そんな俺が、こいつうらやましいなーとおもうのがゴーギャンという画家です。ゴッホとよく並べて出てくることがある画家ですね。
同じように浮世絵の影響をうけ、ともに同じ時代を生きた画家。色々な評価がありますが、俺の中では黒を愛した画家として一目おいています。
後期印象派とかネオ印象派、ポスト印象派とかいわれますが、まあそれはどうでもいいです。
そもそも印象派っていうものじたいが縁取りの線から解放された画家たちで彼らは特に黒を使うことを極力さけます。
もちろん、ダヴィンチなんかは既に縁取りの線とかいうものからはとっくの昔に解放されてるわけですが、この印象派のちょっと違うところは光の強弱によって表れる輪郭線さえも否定するところにあります。
後にあらわれるキュビスムが形の解放といわれますが、この印象派はひとつの形の解放と言っていいのではないかと思います。
そんな印象派全盛期の時代に、がっつり縁取りの線を、それも真っ黒で残したゴーギャン、彼は完全に自分の絵を描く世界に揺るぎない自信を持っていたのでしょうね。
色々な画家がこの時代に浮世絵の影響を受けますが、彼ほど自分の世界に取り込んだ人は居ない気がします。
ロートレックなんかも素晴らしいんですけど、ちょっと浮世絵に持っていかれてる感じがします。(ロートレックめっちゃすきですけどね。)
ゴーギャンは遠近法をまったく理解出来ていなかった、もしくは習得できてなかったという人がいますが、たぶんそれはないですね。
かれは浮世絵の世界を愛しすぎた故に、それまでにヨーロッパで確立されてきた遠近法に魅力を感じなかっただけです。
それでは今日の絵「静物と三匹の子犬」を紹介します。
やはりはじめにぱっと思うことは、子どもの構図かよ!ってことでしょう。全てのモチーフがバラバラに置かれていて、遠近法を知っている、または絵画を知っている人なら絶対に描かない構図の一つです。
もう、御法度といってもいいでしょう。
この構図何がすごいかっていうと、今の時代ならオシャレだとか言う評価をもらえるでしょうけど、この時代に重なりが無いモチーフの配置というのは「おれ絵へたです」と言っているようなもんなんです。
更に、机はほぼ真上から見ている構図なのに、お皿やコップにはなかなかいい角度がついてます。
これもへたを助長させています。
でもね、へたじゃないんですよ。セザンヌなんかもわざと傾いたような机にリンゴをのせている絵があるんです。
この絵の手前の果物なんかは、それを彷彿させるような表現が見て取れます。
つまり、キュビスムよりも前にこの人たちは形の解放を試みてたんですね。
そして、印象派という土俵の上で戦うことによってもっと現実に近い形での解放が出来ている気がします。
描きたい物を全面に出し、それを支える土台を背景で作る。そのためには遠近法なんぞ無視します、みたいなかんじですかね。
最近のラクガキのような絵とか、ちょっとオシャレな雑誌とかの表紙って俺から言わせればこの延長線上にいると思います。
まあ、足もとにもおよんでませんけど。
この絵は初めて見た時に、題名とは何か別の意味を含んでいる絵なんだろうなって思いました。
三匹の犬に三つのコップ、このモチーフを見ただけでも「あーなんか画家のもっているバックグラウンドに秘密があるんだろーなー」と思いました。
でも、その後調べたことも無いので知らないです。興味があったら調べて教えて下さい。おれは、絵を見る時に絶対に意味を読まずに(知らずに)見るようにしています。
意味や背景、歴史を知ってしまうと純粋な絵画作品としての評価を出来なくなるからです。
意味とかなんとかは後で楽しむ派です。
できれば、そのあとにもう一度見たいですね。
すべて含めてその絵だと言う人がいますが、おれからすればインチキもいいとこです。
例えば、俺の絵にピカソのサインが入ってたらそりゃあ価値も見方も変わるでしょう。
そういうんじゃなくて、やっぱり作品自体が独立した素晴らしさや美しさを持ってい無いとダメだと思います。
だから同じ画家でも、しょーもねーっつー作品はいっぱいあるわけです。それをこの人の作品だからっていう理由だけで見てると本質を見失います。
ゴッホの絵を、これがあの耳切って自殺した画家の絵かーって思ってみると、もう完全に絵を独立したものとして見れてないんですね。
ですから、特に同じ職業をしている人は気をつけましょう。
楽しんでみている人は、そんなこと気にせず心行くまで楽しんで下さい。
絶対にその方が幸せです。
さて、いつものごとく話が脱線しました。つまりは、おれはこの絵はゴーギャンという名がなくても、いつ描かれた絵か知らなくても、やっぱり好きな作品の一つなんです。
ゴーギャンの作品の中にはもっと素晴らしいものがいっぱいあるんですけど、俺がこの絵を選んだ理由は単純のなんか可愛いんですよね。w 
なーんかよくないですか?この絵?なんだろー部屋に飾りたい絵ナンバー1。
机の上で犬がミルク飲んでるけど、どんだけ寛大なご主人様なんだよっとか、もうそう言うの全部ひっくるめてかわいいなーいやされんなーっていう絵です。
どうしてもゴーギャンは、タヒチの女を描いている絵ばっかりが出てきますけど、それまでの道のりにもいい絵一杯描いている画家なんですよ!
俺はやっぱりゴーギャンすきなんですよねー。w 
っていうことが今日分かりました。そして、この絵について、特に何か書きたいわけでもないないんだなってことも分かりました。
時にはこういう絵もあるんです。理由も意味もないけどなんかこの絵好きなんだよなーっていう絵。
別に何にも調べたくない。知りたくない。この感じでずっと楽しみたい。意味なんか知ったら俺のこの気持ちがなくなっちゃうかもしれない。
今日は、そんな一枚を紹介しました。
このように、何でもかんでも知ればいいってもんじゃないんですよね。この前と言ってること違いますけどw
俺の意見なんてそんなもんですw
ってか、世にも奇妙な物語の楳図 かずおの蜘蛛のやつは本当にさすがだなーっと思いましたね。それに対してワンピースのくそっぷり。ガッカリンゴです。

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