artchango

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死の勝利


みなさん、お久しぶりです。いや、昨日ぶりですw
お元気でしょうか?
メキシコも、とうとうコロナやってきました。
学校も幼稚園も休みで、俺のスパルタ夏期講習が始まりますw
今日、たっぷりプリントを作ってやりましたw
きっと学校の方が、子どもたちは楽しいと思うことでしょうw
可哀想なお子たちw
コロナ最高!なんて口が裂けても言わないでしょうw
それが正常な形だからいいのです。
子どもが家にいて楽しいって、何にも成長してねーなーって思うんですよね。
さっさと、家から出て行きてーって思うのが正常ですよw
世界は無限の広がりがあるのです。
まあ、今は広がってるのはウィルスですがw
まあとはいえ、この国ではウィルスよりコロナビールの方が問題ですw
さてさて、このコロナウィルスで絶望になったような世界のこの絵は、1525年ぐらいに、ベルギーで描かれたものです。
はい!きた!神、ブリューゲル様のおなーーーーりーーーー。
ちなみに、このへん実は複雑なんですよね、今の国だとオランダだったり、フランスだったりw
勘弁してほしい。
あ!そっか!フランドル地方なんだ!それですwそれでいこう!
あの辺一帯の、この時期に活躍した画家はフランドル派と呼ばれます。
みんなも、使ってみてください、フランドル派の絵好きなんだよねーっとかw
ちょっと、コイツ知ってるな!感、だせますw
でも、実際この作品を見たのはスペインのプラド美術館ではなかったか?
ソフィア・・・いやソフィアはゲルニカ・・・はい、プラドと思います。
プラドでしたね。
この当時のスペインの王様がね、ボッシュのファンだったんですよね。
快楽の園とか、隠れて持ってたとか言う噂もあるんですよ。王様w
ほら、あれやばいでしょw
近々アップしますからね、快楽の園!待っててください。
その時詳しくやります。
まあ、多分、この絵はその系列でスペインに行ったんじゃないのかなーと思いますが、どうだろう?調べてみようか、興味あるな。
プラド美術館1827年に渡ったぐらいしかわかんねーなあー。
その前どこにあったんだろ?
だれか、わかったら教えて下さい。ペコリ。
さて、この作品のタイトルは「死の勝利」その名の通り、大量のガイコツが生きた人々を追いつめて殺し回っている様を描いた作品です。
「叛逆天使の堕落」「悪女フリート」と共に三部作なんじゃないかって言われてるんですけど、俺からしたら、ありえないですね。


これとこれよ?
ありえない。
まあ、なんでそんなこと言われてるかっていうとさ、大きさが同じなのよ。それだけ。
言わせてもらうけどね、画家って好きな大きさがあるん。
俺も、お気に入りの大きさってあって180✖︎120なんて好きで、結構この大きさで描いてるのよ。
だからね、大きさだけで連作って決めるのは間違いだね。
だって連作になってないもん、俺からしたら。
バラバラw
そう思いません?
あとね、余談なんだけどこのブリューゲルって一族で画家なのよ。
で息子、長男はさとにかくお父さんのコピーを作って売って、次男だったかな?すげーキレーな花の絵描くの。
他にもいっぱいいんのよ!すげー一族なんw

でこれ、むすこ息子が描いたコピー。
やっぱ全然ダメなんだよね。違うん。
所詮は真似なんだよなあー、自分のものにできてないん。
まあ、しょうがないよね。コピー作って金儲けしてたんだもんね。
この作品ね、ブリューゲルの中では大きい作品なんだけど、大人が両手を広げたより少し大きいぐらいのサイズ。117cm x 162cmですね。
ぶっちゃけそんなでかい作品でもないのね。
ルーブルでも言って見て!アホみたいにでかい絵がわんさかありますw
ただ!圧倒的な描き込み!それにたいしての背景のぬかし方は天才!
はい。この画家の風景画を検索すればわかるかと思いますが、単調じゃないんです。
どっかね、嘘くさいんですよ、手前から奥の方に順番にゆっくり目を動かしてくと、あれ?
ここ、無理矢理感あるなって場所があるんです。
ただね、それがいいん!急に遠くになる感じ。
ちからわざねw
でね、構図がね、絶妙!
あえて、上の方に水平線をぐっと上げる事で、メインのガイコツ達が襲っている様子が真ん中あたりまでたくさん描けるわけですね。
更に、真ん中から上で、物語を描いてるんです。
沈んだ船や、襲われた街などを描く事で、世界がどうなっているのかがわかるでしょ。
フランドル派には、この構図を利用してる作品はすごく多いですね。
この当時の流行りですかね。
そうそう、背景の話だと、忘れちゃならんのが「雪中の狩人」って作品、あれは更にいい!
俺の中でブリューゲルの最高傑作。
調べてみてすごくいいから!俺そのうちブログでやるけどね。
では、絵の中身に入っていきましょう!
この中心にいる鎌を振りかざして馬にまたがっているガイコツ、じつはこれある壁画のほぼコピーなんですね。

ほら、これこれ。
驚きです!大変興味深いところですね、つまりこの作品はある壁画を見てそれにインスパイアされて描いた絵なんです。
ちなみに、この壁画イタリアにあるらしいですよ。
そう、その壁画こそ!オレがイタリアにいた時、見たことも聞いたことも無い作品でして、あとで知ってまじかーっと思ったわけですw
まじで、同じでしょ!だからね、影響されたとか、インスピレーションとかいいんですよ!どうでも!
だって出来上がった作品、ブリューゲルの方がはるかにいいもの!そういう事なんです、はい。
それにしても、ねー不気味なんだけどなんかユーモアがあるでしょ。
大好きなんですホントに。
なんか、かわいいんだよなあー。
なんでなんだろ?不思議。
これが1500年代に描かれていたわけです。
ちなみに、この作品テーマはオレの大好きなメキシコの版画家ポサダとおなじことを扱っていて、ようは人間みんな死ぬぜってことなんですね。
二人のテーマの、視点の違うところは、ポサダの死んだらみんな同じッというのに対して、ブリューゲルはだれも死から逃れられない、ってことなんですよ。
え?同じじゃんって思うかもしれないですけど、実は全然違うくて、死んだらみんな一緒っていうのと、全員死ぬぜって違うでしょ、わかるかなー?
パッとみ一緒なの確かに。
でも、ここって凄い大事なんだよねー。
ポサダはさ、生きてる内にどんな事しようが、全員死んだら同じなんだよ、ね。金とか権力とか持ってようが、いい服きてようがさ、死んだら一緒よってね。
諦めというか、そういうのがあるよね。
ブリューゲルは、何やっても全員殺すからね!逃がさないよ!みたいな、運命論のような強さがあるのよ。
だから王様やら道化師やら騎士、農民みーんな一緒に殺されてるでしょ。
死からは逃れられんのじゃーーーぼけーー、みたいなね。
絶対殺しますって意思がすごいん。
十字架がついた箱に、みんな生きてる人たちが逃げていってるけど、たぶん人間最後に救いを求めるのは宗教しか無いってことを言いたいんでしょーね。
でも、その周りにはガイコツがいっぱいいて結局逃げらんねーんだぜっていうね。
絶望。
怖い!
左の方では、ガイコツたちが最後の晩餐?でもやってるのか聖職者たちをもさ、ばかにしてるわけです。
更に上では、鐘を鳴らすガイコツ。
終末の音が聞こえてきそうですね。
やせ細った野良犬。
その先にいる死んだ母親と赤子。
王様に砂時計を見せるガイコツ。
馬車に轢き殺されている人々。
首におもりをつけられ、水に突き落とされる人。
高らかに勝利のラッパを鳴らすガイコツ。
右下には、この状況で音楽を楽しむ二人。
背後でバイオリンを弾くガイコツ。
沢山の処刑方法。
もうね、飽きない。
この絵の本当のすごさは・・・単純明快、生きてるんです、死んでんだけどw
とにかく、どこを見ても何かある。
そしてそれが、一つの世界の出来事として統一されてるんだけど、一人一人の人間が生きてるとこなんですよ。
ただ、沢山描いてるんじゃなくて、一人一人に意味があるとこがすごいん!
この世界に入り込んだら、抜け出すのは困難ですよ。
是非!一度スペインマドリッドまで足を運んでみてください。後悔の無い作品です。
ホントにずっとみてられます。
では、よい夢を!アデュチュ!

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