artchango

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メデューズ号の筏


学校でさ、先生やってた時の話何だけどさ、版画の授業で、彫刻刀の前に絶対手をおくなって言うのにさ、絶対一人怪我するんw
あんね、これね、マジ防ぐの難しい。
先生はね、危なそうな奴マークしてんのよ。
コイツ気をつけんと、まじ大怪我するからなって。
でさ、とりあえずヤバそうな奴集めた班作ってさ、そこを重点的にチェックしながら見て回るんだけど、まあ、案の定、その班は危なっかしい使い方してんのよ!
んで、おーーーい!まてまて!って使い方の確認して再開ってやってたらさ。
せんせーーーーって、大丈夫だと思ってた子が手切ってんだよねw
これね、もう、人が足りない。
まあ、ケガから学ぶってのも大事なんだけどね。
何げに彫刻刀って怖いんだよ、ザックリいくからさ、力入ってるしねーアホみたいにw
でね、何が言いたいかって言うとさ、鶏肉解体してて手切ってん俺w
生徒のこと言えんわーw
はい!
いこうか!
メデューズ号の筏
テオドール・ジェリコー、1818年から19年に描かれた作品で、なんと当時27歳の作品・・・27歳だと!
もうさー、やめてほしいよね。
いやね、実物見たことある人ならわかると思うけど、クソでかいんw
なんと、491 cm × 716 cm。
いやいやいや、27歳よ!
信じられる?
まあ、ちなみに死ぬの32歳w
はや!
でもさ、傑作残したよね。
画家として、やったったと思うよ俺は。
いや、生きてたらもっとすげえの描いただろうけど、少なくともこれは、ジェリコーの人生の最強の一発だよね!
まじね、すんげーーーよ、ぶったまげるよこれ。
これ実際に起きた事件がモチーフでさ、メデューズ号ってのが沈没してさ、生き残った人たちが筏に乗って遭難してる絵なのよ。
救出までに、なんと13日かかったん。
つまりね、13日筏の上で飢餓、脱水、病気とか悲惨だったらしいよ。
149人が漂流してさ、生き残ったの15人。
想像を絶する世界だっただろうね。
で、何が凄いって、この絵頼まれもしてねえのに描いてるからねw
このでかさの絵をさ、頼まれもしねぇのに描くってなかなかのパワーよ、マジで。
覚悟が伝わってくるよね!
マジで、俺漫画描いてる場合じゃねーわって思うよw
この題材を選んだ時、ジェリコーさ、三個アイデアがあったんだって。
船が沈んで、船員が将校に向かって反乱起こしてるとこと、人の肉食って生き延びてる人たちの絵、そして筏の上で絶望してるとこに船が通って生きてる人たちみんなで助けを呼ぶシーン。
この中から、最後のアイデアにした理由は、実はね、この後その船通り過ぎて行くんだってw
まさかの、希望の絵かと思ったら、からの!絶望でーす!って言う絵でしたw
その話をね、生き残った船員から聞いた時、はい!これにしよ!
って思ったらしいよ。
なかなかキチな奴だよね。
でさ、生存者にインタビューしてさ、筏作ってんのw
映画でも作んのかよって勢いですわ!
リアリティの追求ね。
もうね、この絵何が凄いって、圧倒的なスケールよ!
人とか実物よりでかいからね。
とにかくね、この絵の前に立ったら逃げ場なしよ。
一気に引きずり込まれるから、このでかさとさ、リアルさに海の上漂流するから。
なんで、こんなリアルに描けたんだろう・・・それでは、皆さん、心の準備はよろしいですか?
こっからはホラーですよ。
さっきさ、インタビューしたって言ったじゃんね。
あの後よ、死体をさリアルに表現できねーって病院に死体描きに行ってさ、死にかけてる人ってのはどんな顔してんだ???って観察したりさ。
もう、あとはアトリエに引きこもって狂気のように描き始めるんだけど、腐り方がよくわからないなあーって、切断された手と足借りてきて、腐り具合を見ながら絵描いてたのよ。
いや、狂人でしょ。
でね、最後、俺これに関してはちょっと理解不能なんだけど、生首を精神病院から借りてきてさ、2週間デッサンしてたらしいのよ、え?
腐ってるよね?
で、最終的にアトリエの屋根裏部屋に保管したんだって。
え?
猟奇殺人とかの人の発想じゃね?
こわっ!
これがあるからさ、死んだ肌の色とか絶望的にリアルなんだよね。
まじで、その場にいる臨場感がハンパないん。
一度見たら、2度と忘れられない絵だよ。
色は本当に凄くてさ、全体的にセピアっぽいんだけど、本物は全然そんなことないから!
影とか最高にドラマチックでさ。
カラバッジョの影の、漆黒の黒と違ってさ、色があんのよね。青とか緑とかがさ、海の色が反射してるみたいでさ、リアルで臨場感があるんだよね。
海とか舐めて行ったら絶対ダメだよね、って思うよね。
よくわかんないんだけどね、ジェリコーさ、一体どんな気持ちでさこの作品描いてたんだろうって思うんだけど、めちゃくちゃ冷静だった気がするんだよね。
そこが逆に怖いって言うかさ、とてもじゃないけど半狂乱になった人にはこんな完璧に構成された絵は描けないよ。
多分だけどね、脳内で完全にその場にいるのに、死体を前にしてるのに、冷静にさ、細部を確認して描いてる画家が浮かぶのよ。
わかるかなー、この狂気。
描き上げる、情念がさ、心の機能を麻痺させてるような。
俺は体験した事がないから、わからないけど、戦場で兵士がさ、死体を見ることなんも感じなくなっていくって言うじゃない。
そう言う怖さを感じるんだよね。
現実がさ、とてつもない状態だったってのは想像しか出来ないけど、間違いなくそれに近いむごたらしさを感じるんだよね。
いや、現実の方がやはりもっと絶望的だと思うんだけど!
ただ!
この絵はね、事実をさ、いかに芸術として完成させるかって言う意味において、とてつもない答えを描き出した作品だよね。
時にさ、その絶望的な醜ささえも美しくしてしまう人間の恐ろしさ。
狂気にさ、俺は背筋が凍るのよ。

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