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ヴィーナス誕生


俺は皆さんご存知の通り、いわゆる現代アートと呼ばれるものが嫌いです。
何度も書いてますが、完成度が低い!
コンセプトが先行してて、独立した作品としての美しさがないん。
あるものもありますが、大半はクソw
新しい技法っていうだけでもてはやされたり、新しい素材を使ったというだけで、すごいとなったり・・・あほかね?と思います。
魂がないんです。かけらも。くだらねえ。
それに振り回されてる、評論家とかいうやつらもくそっくそだと思っています。
はーしょーもない。
かといって細かい絵、完成度が高い絵、ならいいのか?答えはノーです。
時間をかければ、いい絵が出来るわけではありません。
絵画の歴史を学んで行くと分かりますが、ずっとぶちこわして来たんですね。
大小あれど、つねに先人達の作品をリスペクトしながら破壊して来たんです。
中には、否定の力のみで破壊したやつもいますが。ダダとかね。
では、その破壊行為があれば素晴らしい作品なのか、これの答えもノーです。
あくまでも、破壊して来た画家達は美術の歴史に置いて意味ある作品を残しましたが、それがイクオール素晴らしい作品とはなりません。
絵画の歴史からみて貴重な作品と言うことです。
歴史的価値と、作品の価値は、必ずしも同じではないのです。
逆に言えば、美術館においてある作品が、必ずしも素晴らしい作品かと問われれば、実はそうでもないのです。
俺のように、絵を仕事にしている人にとっては、お勉強という意味で大変価値がありますが、そうではない人にとっては、意外とつまらない作品が多いのではないのでしょうか?
美術館にいったら、疲れただけで何にも面白くなかったッという人はいっぱいいると思います。
そう言う人にまずおすすめなのは、美術の歴史を軽く勉強することです。
それだけで、凄く美術館が楽しくなります。
是非やってみてください。
ただ、勉強することで失うものもあるのでほどほどに。
どう言うことかと言うと、歴史や意味で絵画鑑賞をしてしまうと、本来持ってる感動というものを、置いてけぼりにしがちなんです。
さて、そんな美術の歴史において外せない一枚がボティチェリの「ヴィーナス誕生」です。
最後で最高の作品です。
最後というのは、このあとミケランジェロラファエロダヴィンチやらがあらわれて、これらの美術を圧倒的な世界でぶち壊してしまうからです。
神話をテーマに扱った作品の中で俺が一番好きな作品です。
まずは、お話です。
ギリシャ神話です。大好き。
ウラヌスって神と、ガイアって女神が結婚しまして、子どもが沢山産まれるんですけど、ウラヌスは、前に誰だったかなー?覚えてないんだけど、予言されてるんですよ。たしか。
お前は、自分の息子に殺される、とかなんとか。
そいで、びびって産まれた子どもどんどこ殺しちゃうんですわ。
んで、ガイアはブチギレて、次の子を隠れてそだてて、大きくなったら、復讐させるん。
その子はクロノスって言うんだけど、その子に鎌を与えて、親父のちんこ切らせるって言うねw
この時点で、なかなかなお話でしょ。
この後がすごいん。
クロノスは、そのちんこを海に投げ捨てるん。
そしたらね、そのちんこから出た泡がさ、まさかよ。
そのまさか。
ヴィーナスになるんwww
強烈でしょw
これが神々の世界よ!なめんなよ!
いやー、この絵行きましょうか!
まず、大きさもそこそこありまして、見応えあります。
172.5cm×278.5cmいい大きさですね。
俺は、結構好みの大きさです。
大きすぎず、小さすぎずですね。
しかし、なによりこの独特のバランスですね。
ヴィーナスの、このくねっとした立ち方。

人物の形なんか、まったく無視して描かれています。
人間の骨格を全く感じさせない、なのにそれでよしと思える独特の世界。
そして何より色!元の色なのか時代とともに風化してこの色になったのかわかりませんが深い色です。
この頃は、自分で絵の具も作らなくてはいけない時代、まったく今の画家は甘ったれてます。
はい、反省。
ちなみに、この絵は、キャンバスにテンペラ画で描かれています。
テンペラ画ってのはですね、卵を固着剤ちして使う技法です、簡単に言うと。
だから、いわゆる、チューブ絵の具を、そのまま使ったような色の軽さがまったくありません。
卵の黄身が持つ、独特の黄色が全ての色に混ざってて、絵全体に統一した淡い色彩の世界を作り出してます。
重厚なんです色が。
色の濃さとかじゃなくて、深いんですね。
これはちょっと真似出来ないです。
油絵の具も、油の薄い黄色があるんですが、それとは全く種類が違いますね。
そして、物語を感じさせる構図。人物の配置なんて絶妙ですね。
そして、ヴィーナスの視線の方は少し空間をもたせて、後ろから羽織をかけようしている女性との距離はもう少し詰めています。
それがどうしたの?と思うかもしれませんが、こういう空間の支配によって作品の動きや空気、見る人の目の動きまでも決めてしまうんです。
ヴィーナスの両端が、同じ空間だったら凄いしょーもないと思いませんか?
いやーすごいですね。
やっぱりこの作品好きです。
そして、この独特の顔の描き方。

無表情なんだけど、ちょっと微笑んでて、それがいいんですね。
あと、目がまたいいよねー、なんか色っぽい。
俺、この顔モナリザよりも好きなんだよなー。
やっぱ、ボティチェリが描く顔って凄い魅力的だよねー。
このあとに現れる画家たちは、顔がさ人間に近づいていっちゃうんだよね。
仕方ない革命なんだけど、これがあるから今があるんだけど。
絵って、やっぱ自由さって大事だなって考えさせられる絵なんです。
日本の大学の、あの入試のデッサンって凄いじゃない。ただ、感動って別だよね。
結局、技術と心は違うんだよなあー。
ちなみに、この後はすごく安定した構図を好む人たちでいっぱいになりまーす!
ラファエロなんて、ほぼ完ぺきな三角の安定した構図ばっかりです。
それはそれですごいんですけどね、でも俺はこの不安定なのに成立する魅力的な絵・・・大好物なんですねー。
好きです。
これが個性というものなんでしょうね。
ちなみに、この絵歴史の中で凄く大事な作品でフィレンツェを救った絵と言われてるんです。
なぜか?
説明したいんだけど、それは自分で勉強してくださいね。ごめんw
すげー長くなるんでめんどくさい。w

さて、それでは最後に色々な画家が描いた、ヴィーナス誕生を見ながらお別れです。
さようならー。


イタリア ポンペイの壁画


カバネル


ブグロー




ルドン


モロー


アンリ・ピエール・ピクー


モリー・デュバル


アングル


フランソワ・ブーシェ


そして、これがこれが俺のヴィーナス誕生w
同じテーマでも、現代でしか描けない表現ってあるんですよー。
これが、絵の歴史の面白さですねー。

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