artchango

芸術・絵画・アート・映画・ときどき俺のこと

AMOR MEXICO

この作品は、俺の今のスタイルを作り出したってのと、ラッキーを舞い込んでくれた大事な作品。
これね、大学生の時にコンクールに出そうと思って描き始めたんだよね。
でね、そん時はこんな絵になる予定じゃなかったん。もっとね、ダリっぽいイメージだったんだよ。
あ、学生の時はモンテレイって言うメキシコの北の方にある大学に通ってたんだけど、結局は完成しなくてさ、アーーーわかんねーって止まっちゃったん。
なんか、このまま描いても面白い絵になりそうにないなあーって。
んで、その後アグアスカリエンテスって言うメキシコの真ん中あたりに引っ越してきて、日本人学校の先生やるんだけど、4年ね。
その間もほぼほったらかしよ。少しは進んだんだけどね、むしろインプットの4年間だったね。
とにかく、世界の絵画の歴史とか日本の美術をアホみたいに勉強したよね。
それでさ、じゃあ自分の絵の文脈って何だろうって考えてた。日本で高校生やってた時はさ、村上隆とかダリの影響がもろで、イタリアでは何か新しい表現の模索というか、宗教画とかみてたら、あー絶対勝てねーから、油じゃない違うの探そうって、にげたよねw
んで、メキシコよ。
もー頭ごちゃごちゃになったよね、いい意味でw
もーさ、あー全部足してみよって単純に考えたのよ。
もともと、ごちゃごちゃ細かく描くのは好きだったからさ、なんかもう全部入れちゃってみよ!そっから考えよって思ったら楽になったよね。
とにかくさ、描けばいいだけじゃんw
色んなとこから、面白いと思うモチーフ見つけては描いてさ。
ただ、コラージュと違うのはさ、俺が描くから同じにはならないし、自由に角度とか色とかなんでも変えれるのよね。
コラージュって、ちぐはぐなタッチのモチーフがバラバラしてる感じが魅力的なんだけど。
俺の絵は、バラバラなモチーフを一つのタッチで仕上げることで、一個の世界としてまとめてるとこなのよ。
ありえないのが、ありえそうに見える。
似てるようで、実は全然違うんだよね。
細かいところで言うとさ、コラージュで首伸ばしたり、手の形かえたり、色を変えたり、表情を変えたりするのって大変なわけ、しかも完璧な自分の好みに何か出来ないわけ、でも、俺は描いてるから出来るのよ。
変な話、キャラとか、モチーフとかもらって全部俺バージョンに描きなおしてんのね。
でさ、サンミゲルに引っ越してきて一年くらいかけて仕上げたのよ。
6年な!完成までに6年!
これ売れなきゃもう無理じゃねってくらい出し切った作品よ。
んでさ、個展で発表したんだけど、評判はいいのよ。だけど売れないん!まじで。
もうさ、結構貯金も底ついてたから、やべーなーって思ったよね。
やっぱ甘くねーなあーっと思ったよね。
同時に絶望したさ、そりゃあ。
俺の全部を出し切ってさ、最高だと思っている作品がさ、やっぱり通用しないんだよ。
人生って厳しいんだなーって肌で感じたよ。
俺はさ、調子乗ってたわけじゃないんだけど、サンミゲルのさ、ギャラリーに飾ってある作品と全然勝負出来るな!ってのがあったのよ。
まあさ、なめてたよね。
いや実際ね、今見ても俺の作品の方がいいよ!
それは!
ただね、分かってないのは俺の方だった。
サンミゲルって観光の街なんよ。
ってことは、ソコソコの値段でサンミゲルきたーって言う思い出がいいのよね。
俺みたいに、まあまあでかいキャンバスにさ、ちょい高い値段の絵なんて需要ないのよ。
小さくてさ、サンミゲルの風景何かが入っててお手頃なやつよ。
芸術の街なんて言ってもさ、本気の芸術やってるのは数えられる程度で、後は観光客相手にやってる商売だったわけ。
もう、完全に売り出してる場所がバカだったわけよ。
そりゃあ、俺の絵なんて売れないよな。
だからさ、どこのギャラリーも俺の絵なんて置いてくれない訳よ。まじで。
でも、そうやって自分の芸術やって売れる人たちって、どうやって売れてんだろう?って思ったのよ。
そしたらさ、やっぱすでに有名でニューヨークとかでバンバン個展とかやってる人たちな訳よ。
結局さ、日本と同じなのかよーって思ったね。
そんな諦めモードの時にさ、アメリカ人のおじいちゃんとおばあちゃんが俺の絵に興味持ってくれてさ、ラッキーよ、たまたま来ただけたからね、こんなとこ来る人じゃないのよ。
なんか、近くでイベントがあったから、ホントたまたま通っただけなの。
でさ、3点ぐらいまとめ買いしてくれたわけ。
その中の一つに、この絵があったわけなんだけど、まじか!と思ったよね!
でさ、お家に招待されて、絵の説明とかさせられて、今俺が入ってるギャラリー紹介してくれて、そのギャラリーに所属することになってさ、個展も決まって万々歳よ。
思ったね。
俺の絵、通用するんじゃんって!
間違ってなかった!
勝負出来てる!
やっとさ、絶望の穴から抜けだした瞬間だったね。
ちなみに、このおじいちゃんとおばあちゃんとは、今でも仲良しなのよ。
でさ、今、五年くらいこのスタイルで描いてるんだけど、いや、その間も色々模索してきてさ、少しの変化みたいなのはあったのよ。
でもね、そろそろ大きな変化が必要な時期にきたのかなーってのは漠然と感じてるのよ。
こうやってさ、まあまあ生きていけるぐらいの金を稼げるようになったときの変化ってホントに怖いん。
まあ、早い話がビビってんだよねw
でさ、ピカソってすげぇーなーと思わずにはいられないよね。
売れてる時に、これって思ったら変化を恐れない!やる!
出来そうでね、難しいよ。有名な画家って売れたら、あとはほぼ同じだもんね。
これがさ、ピカソって言うバケモンよ。
俺はさ、この壁超えねーと、ぜってーあいつには一生かなわねーなーっと思ってるわけ。
さて、こっからだよな。
いくぜ!見てろよ。
次の俺の大機転になる作品をさ、作ってみせるよ。

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