artchango

芸術・絵画・アート・映画・ときどき俺のこと

ナルシスの変貌


こんにちは。
今日は俺の絵に最も影響を与えているであろう一人サルバドール・ダリです。
先日、デ・キリコと比べてハナクソと言った画家です。
そう、精神の世界を描くという意味ではデ・キリコの足ものとにも及びません。
しかーし!こやつのすごさはそこには無い!ダリの展覧会を見たのは高校生の時でした。
これを見て、俺は油絵の世界にどっぷりとはまりこむのです。
まあ、そのあとイタリアでとんでもないやからの絵をみてしばらく油絵から遠ざかりますが・・・。まあそれはまたの機会に。
ぶっちゃけた話をすると、絵としてはダリの初期の作品の方が好きです。
ミロなんかと、似た世界観をもって描いてる時期です。
でも、この人のすごさを語るにはやはりダリ!って感じの方がわかりやすいです。
ダリの絵は、シュールレアリスムの中ではかなり上手です。はい。
でも、絵がうまいというだけだったら他にもすっげえええのがいっぱいいます。
バチカン美術館にでもいけば、ダリよりすげええ画力を持った画家を腐る程見れます。でも、たぶん素通りしますよ。
だから、絵のうまさでもないんですダリの魅力は。
この人の絵を一言で表すと支配です。
すべてが計算し尽くされた、ダリの絶対的な想像の世界です。
この人の絵の前では、想像力なんて必要ありません。
なぜなら、引き込んでしまうからです。
ダリの絵の前では、あなたのちんけな想像力なんて必要ないぜっと言われてる気分になります。
つまり、見ているものに隙を与えてくれないんです。
想像力つかいますよ!って言う人もいるでしょう。断言します。ダリを前にして、使っている想像力は使わされてるんです。
ダリの世界に置いては、想像力ですら支配されるんです。そう、こいつは支配者です。
ここに紹介するのは「ナルシスの変貌」という作品です。
左に女の人がいて、右にタマゴを持った手があります。それが同じ形をなしているわけですが、それがどうした?
意味があるのか?
おれの独断と偏見ですが、こいつはなんにも意味何ぞ考えてません。
あるとすれば形の面白さでしょう。
そして、後ろで歩いてるのかお喋りしてるのかわからない人が何人かいます。
右下にいる馬、その上の方にある裸の彫刻。
その全てに、たぶん意味は無いと思います。w 
色んな本やらなんやら読みましたが、ダリの絵の意味を、しっくりくる内容で説明されているものを読んだことがありません。
この写真の小ささでは、いまいち伝わらないでしょうけど、この絵を目の前にすると問答無用で、この訳わからん世界に引きずり込まれます。
これがダリの絵のすごさです。
考えたって、想像したって、絶対にたどり着かない答えを永遠に探させられる、そう言うと非常に気分が悪い絵に思われるかもしれませんが、なぜか不思議に楽しいというか面白い気分で鑑賞出来るんです。
でも、そのすべてを狙ってる気がするんです。
ダリは、自分で「私は天才で狂人ではない」と言っていますが。
その通りです。
狂った世界を計算して作り上げてるんです。デ・キリコが純粋に精神の世界をを描こうとしたのならば、ダリが描いたのは精神の世界ではないです。
考え、計算し尽くされたダリの頭の中の世界だと思います。
ダリの絵で、重要な要素の一つが絵の大きさです、かなりでかいのが揃っています。
それも世界に引きずり込む一つの材料であることは確かです。
やはり、大きい絵というのは、目の前にしてその世界から逃がさない力があります。
さらに、背景には抜けるような空間が描かれています、それも一気に世界に引き込む要素の一つでしょう。
背景をみていると、いつの間にか自分が絵の中にいるのです。
そう、気がついたら真ん中の人たちの一人になっていませんか?
でも、そんな完璧に作り出された世界に、どこか狂人になりたいのになれない弱さみたいのが、絵にちらほら見えるところが魅力でありかわいいところでもあります。
これがデ・キリコとの一番大きな違いでしょう。
ただ、それすらこの画家は狙っているのかもしれませんが・・・。

ランキングに挑戦中、ポチっとお願い
🤲
にほんブログ村 美術ブログへ
にほんブログ村