artchango

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ある一日の謎


最近、雨が降らないで乾燥しきっているサンミゲルです。
今日は、そんな気分が悪いというか何とも表現出来ない絵を紹介。あ、ちなみに、俺雨大っ嫌いなんだけどねw
ジョルジョ・デ・キリコの「ある一日の謎」っというすっ頓狂な絵です。
はあ?ッと思われる方がたくさんいるでしょう。
はっきり言います。
キリコに比べたらシュールレアリスムの天才と言われた、ダリもマグリットもはなくそです。
世界観のレベルが圧倒的に違うんです。
この人は自ら形而上絵画という分けわからん名前を付けるんですけど、よく考えたらそれはあとで日本語でだれかがつけたわけで、メタフィジカとかなんとかいうらしいです。
意味はですね、物理学的なものを超えたッとか言う意味らしいですけどまあよくわかりません。
ようは、心理の世界でしょうか?
まあ、難しいことは考えないでいきましょう。
というわけで、MOMAでみたこの作品について。
俺はこの絵を見た時に、小学生の時に門限が五時だったんだけど、遊びに夢中で五時を過ぎたことに気がつかなくて、ふと空を見上げると日が落ちかけてて影は長く伸びて、なんともいいがたい不安にかられたあの不思議な時間を思い出しました。
ノストラジック、という言葉が適切なのかわかりませんが、そんな感じです。
このヨーロッパ的な風景が、がっつり日本育ちの俺の小学生時代を思い出させるという時点でキリコは精神や心理を描くことに成功してると思います。
そして、この作品、一点透視図法を知ってるくせに全く無視した、いや、計算してずらした世界を描くことで不安を助長させてます。
そうです、真ん中の像とその横にある貨車ですね。
この絵だけでは、この箱みたいなのが貨車かどうかわかりませんが、キリコは好んで他の絵にもたびたびこのような形の貨車を登場させているので間違いないでしょう。
この二つは、全くもってありえない角度で描かれていますね。
さて、そこから背景に目を向けていくと二人の人と二つの赤い塔があります。
何を意味しているのかはさっぱりわかりません。
ただ、このすべてが絶妙なハーモニーを生み出してこの不思議な不安な世界を作り出しているのです。
よーく見て下さい。
なーんかきもち悪いですね。
落ちつかないですね。
そういう絵なんです。
幽体離脱して時間を超えて、自分を客観的に見てるような感じ?まあ、結局言葉でポイポイ説明出来るような絵じゃないです。
有名な画家が、大学の卒論で書いた言葉がありました。
言葉と絵は全く別のコミュニケーションであって、絵を言葉で表すことは不可能であると。
言葉では、私が今引いたこの一本の線ですら説明することは出来ない。そう、その言葉を残したのは俺です。
じゃじゃじゃ。

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